私が、ギュッと目を閉じたとき。
突然、きつく掴まれていたはずの腕の力が緩み、私は前方から誰かに優しく抱きしめられた。
「つ、都輝くん!?」
どうして、都輝くんがここに!?
「亜実ちゃんは、お前には渡さないよ」
私を抱きしめる都輝くんの手に、力がこもる。
「はぁ? 中城さんは、神山と専属契約してるわけでもないんだし。別に僕が頂いてもいいだろ?」
「良くない。亜実ちゃん、怖がってるじゃねぇか。自分の好きな子が怖がって泣いてるのに、黙って見てなんかいられるかよ」
都輝くん……。
「亜実ちゃんと東が、血とか関係なく純粋に仲良くしてるなら良かったよ。それなら俺も二人のこと、応援しようって思ってた。でも……」
都輝くんが、東くんをきつく睨みつける。
「素直な亜実ちゃんのことを騙して、笑って、傷つけて。絶対に許さねぇ」
都輝くんが、東くんの胸ぐらを掴む。
「そもそも人から血をもらうときは、その人が同意した上でもらうのが大前提だろ? それなのに、亜実ちゃんを騙してこんなところに連れてきて。その上、無理やり血を吸おうとして。このことが“ あの方 ”に知られたら、東くんどうなるだろうな」



