1学期の中間テストが終わり、しばらく経ったある日。


帰りのホームルーム前、私のクラスでは席替えが行われた。


「中城さん! よろしくね」

「あっ、東くん。こちらこそよろしく」


私の隣の席になったのは、(あずま) 勇聖(ゆうせい)くん。

同じクラスでも今までほとんど話したことがなかったけれど、黒髪短髪が似合う爽やかイケメンだ。


「ねぇ。中城さんって、最近隣のクラスの神山と仲良いよね?」

「えっ! そうかな?」


一緒にお弁当を食べるとき以外は、ほとんど向こうが一方的に話しかけてくるんだけど。

仲良いように見えてるのかな?


「もしかして中城さん、神山ともう例の専属契約はした?」

「ううん。まだだけど……」

「そっか。良かった」


私が答えると、なぜかとてもホッとしたような表情の東くん。


「えっと、東くん……どうして私にそんなこと聞くの?」