翌日。学校の昼休み。


「ええっ! 亜実、昨日告白されたの?」

「ちょっと、茉世ちゃん。声が大きい!」


私は昨日のできごとを、茉世ちゃんに話していた。


「ねぇ、誰誰!? 昨日言ってた保健室の人と同じ人?」

「ああ、うん。そうなんだけど。確か名前は、かみや……」

「キャーーッ!!」

「かっこいいーっ」


茉世ちゃんに話していた私の声は、突如として聞こえた女子の黄色い歓声によってかき消されてしまった。


反射的に声がしたほうに目をやると、いつの間にか教室の扉のほうには人だかりができている。


え、なになに? 女の子ばかり集まって、一体何ごと!?


「あっ、いたいた。亜実ちゃん!」


すると、人だかりをかき分けてこちらへとやって来る一人の男。


「かっ、神山くん」


忘れもしない。昨日私のファーストキスを奪った憎き男、神山 都輝。


「え。もしかして、亜実が昨日言ってた保健室で声をかけられた吸血鬼っていうのは……神山くんなの!?」