終われない夏の日/その3
追及者



「次長の方、どうでした?局長…」

「ああ、やめとけってよ。突っつき、半端じゃないようだわ」

「簡単に引き下がったんですか?今引いたら、闇ん中ですよ」

「仕方ないだろが。ここんとこ”国”相手して、上は息上がってるんだ」

「だから、急所、突いてるってことでしょ。ヤバイのは承知で行きましょ、ここは」

「…、ヤバイの超えてるって。反応が今までとは違うんだ、マジだぞ、これ」

「こっちは、採りたての”材料”アリなんですよ。新鮮なもんなんだ。もたもたしてたら腐っちゃいますよ」

「お前!まだネタ、撫でてんのか!そんな怪しい”生モン”、下手に喰うなよ、いいな!」

「フン、特上のネタなんですがね。味見しろとまでは言いませんけどさ…、臭いくらいどうです?」

「フフフ…、鼻が曲がんねえ程度だろうな?」


...



「相和会、ここまでイッってたのってとこでしょ?なんたって相馬ですよ。死ぬ間際で、こんなおいた仕出かしてるんですからね」

「うーん、しかしよう…。女子高生ってそんなの、晒せねえだろ?これテレビとか動いたら、違うとこ行っちゃうだろうが。いじれねえよ、こんなネタ。捨てちゃえ、いいな!」

「いやですよ。もう警察までズッポリつるんでるんですからね。相馬が死んだ後でもですよ。未成年何人かが、すでに未来を汚されてるんだ。そこんとこの核心、ここは、いっそひっくるめでぶち上げましょうや」

「お前、”本物”の”クビ”飛ぶぞ。ブーンてな。オレだって、だいたいのドロドロ具合は薄々だよ。相当、根深いってな。県警じゃないぞ、相和会の本当の”お友達”ってのは」

「そこなんですって。”本丸”が”近い”将来の”あの勢力”との対峙で、相和会を残したいんですよ、要は」

「…」

「なにも女子高生を、センセーショナルに全面に出す必要はないんです。相和会とズブズブのお相手に、淡々と迫れば、行きつきます」

「よし、”あらすじ”を聞こう。その上でだ。限度あるしな、行きつく先によっては」

198×年9月某日夕刻、現代リサーチ出版社内での、ある会話であった