モモイロセカイ

春馬の綺麗にセットされている、サイドを三つ編みにしているアシンメトリー的な髪型を見るたびに凄いと思っているのだが、これはその比ではない。
オシャレを余りわかっていないモモですら、これにはオシャレを超越した芸術を感じる。

キーンコーンカーンコーン

その時チャイムの音が響き、モモはハッと気を取り直した。
二時間目には間に合わなかったかと肩を落とす。

「ありゃ、チャイム鳴ってしまったっスね。
モモさんもサボりっスか?」

「モモは夕日探してから教室戻るつもりー」

立派なサボりだ。
まさか学校の初日からサボりを経験してしまうとは思わなかったが、モモは元より優等生的な気質というよりはかなりの気分屋であるので、そんなこともあるだろうと軽く流す。

「こっちにいないんだったら、保健室とか探してみたっスか?」

そういえばまだ探していない。

初めに高階層の屋上へ行ったこともあり、保健室は最後に回るつもりだった。
次は保健室へ行ってみようかなどと考え、モモはありがたくこのモヒカンの助言を受け入れた。

「そうだ!
多分無いと思うっスけど、保健室居なかったら第二会議室見てみるといいっスよ!」

「ありがとー」

第二会議室は夕日からは教えられていないスポットだ。

前回校舎内を歩いた時にも外からチラッとぐらいにしか触れていないためそれほど記憶に残っていない。
確か一階の、校舎からは少し遠いところにある場所だった気がする。

モヒカンにバイバイと軽く手を振ると、モモはまず保健室に向かってみることにした。