直人はグッと拳を握って俯く。
「…ねぇ、私の好きなタイプって知ってる?」
モモにどう言い訳をしようかと必死に考えている直人に同情したのか、奈子は控えめに直人に向かって声をかけた。
まるで恋バナの始まりのような展開にどういう事だと眉を寄せるも、直ぐに直人はとある仮説が頭に浮かび、納得したかのように頷く。
「なるほど……、つまり夕日が好きだからか?」
「は?死ねば」
仮説は間違っていたようだ。
このタイミングで女子の口から吐かれた暴言を理解出来ず、直人は一瞬フリーズする。
奈子も意図せずに出てしまった暴言だったようで、直ぐにハッとして口を抑えた。
そしてムッとした顔になり直人の耳に秘密話でもするかのように顔を寄せる。
「私が好きなのはふわふわしてるけど自分の意思はちゃんとある可愛い子」
「お前……」
つまりモモちゃんがドンピシャってわけ。
直人は、ニヤリとしてから体を引き通常の距離感に戻る奈子を唖然と見つめる。
まさか夕日ではなくモモを狙っていたとは。
それなら確かにそう助言した理由に関しては理解ができる。
「あわよくばモモちゃんが、夕日様はダメだと気付いて距離を取ってくれたら万々歳なの」
そう言う奈子に、直人はもう何も言う気が起きなかった。
どうかモモが夕日に幻滅しないで欲しい。
そう願う他ない。
――
「…ねぇ、私の好きなタイプって知ってる?」
モモにどう言い訳をしようかと必死に考えている直人に同情したのか、奈子は控えめに直人に向かって声をかけた。
まるで恋バナの始まりのような展開にどういう事だと眉を寄せるも、直ぐに直人はとある仮説が頭に浮かび、納得したかのように頷く。
「なるほど……、つまり夕日が好きだからか?」
「は?死ねば」
仮説は間違っていたようだ。
このタイミングで女子の口から吐かれた暴言を理解出来ず、直人は一瞬フリーズする。
奈子も意図せずに出てしまった暴言だったようで、直ぐにハッとして口を抑えた。
そしてムッとした顔になり直人の耳に秘密話でもするかのように顔を寄せる。
「私が好きなのはふわふわしてるけど自分の意思はちゃんとある可愛い子」
「お前……」
つまりモモちゃんがドンピシャってわけ。
直人は、ニヤリとしてから体を引き通常の距離感に戻る奈子を唖然と見つめる。
まさか夕日ではなくモモを狙っていたとは。
それなら確かにそう助言した理由に関しては理解ができる。
「あわよくばモモちゃんが、夕日様はダメだと気付いて距離を取ってくれたら万々歳なの」
そう言う奈子に、直人はもう何も言う気が起きなかった。
どうかモモが夕日に幻滅しないで欲しい。
そう願う他ない。
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