モモイロセカイ

モモは夕日達と学校に行くためいつもの車に乗ると、車は直ぐに出発した。
グングンとスピードを上げる車は前を走っていた横のレーンの乗用車を次々に抜かしていく。相変わらずのスピードだ。

「モモはアイツら全員の顔、まだ覚えてねぇんだろ?」

「んー?
でもちょっとは、そこに居たら見たことあるって思うかも」

毛先の赤が印象的な彼は(あずま)と言うらしく、時期総長または幹部の候補の代表格であるらしい。
下っ端からの支持も厚いのでこのまま行けば朝日の次の代の総長になるのでは無いかと言われていると、夕日はモモに解説をしてくれる。

モモは目を瞑り、脳内に先程見た東の姿を思い浮かべてみた。
モモが驚いたのは決して東の顔が怖かったからではない。それは、タイミングに相応しくないアドレナリンが、副腎髄質から放出されているのが見えたからだった。

いったい何を考えていたのだろうか。

詳細は分からないがそれが何だって別にいいかと思い、モモは口に出さずにその疑問を心の中に押し込めて置くことにした。