「大丈夫。
顔は怖いかもしれないけど、この人たちはモモを怖がらせることはないから安心して」
「?…うん」
顔が怖いのだろうか。
試しに一番前にいる毛先に赤色を入れている人の顔を眺めてみた。目付きが鋭いのだろうその人は、どことなく玲と纏う雰囲気が似ている。
少し考えてみたが、よくわからない。少なくともモモの中に恐怖という感情はない。
それ以前にモモは、どのような顔が怖いのかなどもよく分からないので早々に理解を諦めることにした。
「…いつでも頼ってくれて大丈夫です」
「!」
モモがジッと見ていたその人は、モモに目を合わせたままの状態でいきなり口を開く。
モモは突然のことに驚き、思わず肩をびくりと揺らしてしまう。ただの反射神経なのだが、夕日はモモが怖がっていると思ったのかモモの手を強く安心させるように握った。
決して顔を怖がっている訳では無かったので、なんだか申し訳ない気分だ。
「…怖がらせてしまったのなら、すんません」
「んーん、ごめんね。
モモはなんて言うか…、どんな時に頼ればいいのかとか全然分からないんだけど、」
「はい。
…いつでも頼って下さい。
俺たち、Beingのメンバーは、モモさんが頼ってくれると嬉しいと思います」
毛先の赤いその男がモモに頭を下げると、後ろのメンバーも次々とそれに続いた。
大勢のメンバーに、髪色を見せつけられるように頭を下げられるという経験したことの無いことにモモは本気で戸惑ってしまう。
朝日は無言で、夕日と直人は口角を上げてモモを見ているだけでいて、助けようとはしてくれない。
「えっと…あの、頼る…。
…じゃあ、お願いしていい?」
「はい」
下っ端たちはほとんど同時にみんなが顔を上げ、それぞれに口角を緩ませた。
毛先の赤い男も同様に口角を緩ませている。
こうして見ると、目付きの鋭さも相まってまるでキツネのようにも見える。なんだか可愛く見えてきたかもしれない。
朝日は下っ端たちの方に向かうと、その場で解散を告げた。
皆散り散りになり、それぞれが学校に向かうらしい。まだ時間には余裕があるようだ。
顔は怖いかもしれないけど、この人たちはモモを怖がらせることはないから安心して」
「?…うん」
顔が怖いのだろうか。
試しに一番前にいる毛先に赤色を入れている人の顔を眺めてみた。目付きが鋭いのだろうその人は、どことなく玲と纏う雰囲気が似ている。
少し考えてみたが、よくわからない。少なくともモモの中に恐怖という感情はない。
それ以前にモモは、どのような顔が怖いのかなどもよく分からないので早々に理解を諦めることにした。
「…いつでも頼ってくれて大丈夫です」
「!」
モモがジッと見ていたその人は、モモに目を合わせたままの状態でいきなり口を開く。
モモは突然のことに驚き、思わず肩をびくりと揺らしてしまう。ただの反射神経なのだが、夕日はモモが怖がっていると思ったのかモモの手を強く安心させるように握った。
決して顔を怖がっている訳では無かったので、なんだか申し訳ない気分だ。
「…怖がらせてしまったのなら、すんません」
「んーん、ごめんね。
モモはなんて言うか…、どんな時に頼ればいいのかとか全然分からないんだけど、」
「はい。
…いつでも頼って下さい。
俺たち、Beingのメンバーは、モモさんが頼ってくれると嬉しいと思います」
毛先の赤いその男がモモに頭を下げると、後ろのメンバーも次々とそれに続いた。
大勢のメンバーに、髪色を見せつけられるように頭を下げられるという経験したことの無いことにモモは本気で戸惑ってしまう。
朝日は無言で、夕日と直人は口角を上げてモモを見ているだけでいて、助けようとはしてくれない。
「えっと…あの、頼る…。
…じゃあ、お願いしていい?」
「はい」
下っ端たちはほとんど同時にみんなが顔を上げ、それぞれに口角を緩ませた。
毛先の赤い男も同様に口角を緩ませている。
こうして見ると、目付きの鋭さも相まってまるでキツネのようにも見える。なんだか可愛く見えてきたかもしれない。
朝日は下っ端たちの方に向かうと、その場で解散を告げた。
皆散り散りになり、それぞれが学校に向かうらしい。まだ時間には余裕があるようだ。

