モモイロセカイ

そうこうしているうちにモモが学校へ、生徒として通い始める日がやってきた。

少し前に夕日に連れられ、学校の見学へ行って校舎の形や教室の風景を確認してきたのだが、その時は休日だったようで生徒は少なかった。
夕日が言うには、登校している生徒は皆部活に所属しているらしい。

モモは今、その見学時に校長から受け取った制服を身につけている。
紺色を基調としており、アクセントの白ラインとスカートのチェック柄が可愛い。モモの普段着には無い柄であり、制服を着て鏡の前に立つ自分の姿にモモは新鮮さを感じた。

スカートは膝上で少し短めなので、いつものようにくるりと勢いを付けて回るとスカートから中の下着が覗きそうになることを思わせる。
モモはあまり激しく動かないようにしようと考えた。

洗面所を出ると、夕日はもう部屋で着替え終わっていたようでモモを外で待ち構えていた。

「えっ……本当に可愛い。
本当は前世は天使だったとか言わないでね」

「似合ってるー?」
「最高」

夕日に褒められると素直に嬉しいのだ。
今日もホカホカと温かい気持ちでいられるのは、夕日のおかげなのかもしれない。

モモはじわじわと湧き上がる嬉しさに、にんまりと頬を緩める。

夕日はモモのスカートがいつもより短いことに気がついてか否か、片手でモモのスカートを抑えるようにしてモモを持ち上げた。

「あれ、モモ今日は制服なんだ?似合うね」
「ありがとうー!」

食事の席に着くと、モモに気付いた春馬を筆頭にみんなも次々と制服を褒めてくれる。

朝ごはんを食べ、夕日と共に倉庫を降りるとそこには下っ端たちがビシッと集合していた。
大柄の男たちが大量に集結している様子は、妙な雰囲気があり、なんだか落ち着かない。

モモは夕日に手を繋がれているので、夕日がその場で立ち止まるとモモもその場で止まる。

特に当てもなくぼんやりと、それぞれの脱色されている髪や完全に剃られている髪を見た。