モモイロセカイ

突如夕日が目をギラつかせる。
グイッと今までモモが上になっていた体制を変えられた。夕日はモモが辛くないようにと頭を手で支えている。

まるで食らいつくようなキス。

「んッ…は…」

モモと同じように歯の裏側を刺激しているのに、一体何が違うのだろう。
体の芯からゾワゾワと震えるような、気持ちいいとも取れない変な快感がする。

どちらのものかも分からない粘度のある唾液によって、グチュリと卑猥な音が立てられる。

ズクリと、また(・・)下腹が震えた。

夕日はゆっくりとモモから唇を話していく。
唾液だけが名残惜しいと言っているかのように二人の間で糸を引く。

「…モモ、それ以上はダメ」
「ぇっ」

明らかに欲に満ちた目、それなのに夕日はモモを拒絶した。
モモはあれだけ暖かかった体から、一気に温度が抜けていくのを感じた。

「…ごめん、ちょっと俺外す」

夕日はバタンとドアを閉めてどこかへ出て行ってしまう。

どうしよう、どうしよう。
夕日を怒らせたかもしれない。モモを、…拒絶してた。なんで、どうして、なにがダメだったのだろう。

「はぁっ…はぁ」

落ち着かないと…また迷惑をかけたら、捨てられるかもしれない。

涙が零れる。