モモイロセカイ

体格の大きな男にこのように声を荒げられて大丈夫なのかとモモは華を慌てて振り返る。
華はケロッとしているようで、どうやらこの出来事はトラウマにならずに済んだようだ。

ふと華の発言を頭の中で繰り返してみた。

陰茎を膣に入れる(でかいのをつっこまれる)…?

きっとそれの指す意味は男女で行う性行為であって…

モモはどうしても、かなり密着している夕日を意識しざるを得ない。

突如、下腹に血が集まったかのように、どくりと熱が溜まる。

「っ」

何が原因だ。
モモは自身の体に起こった変化を鎮めようと心当たりのあるホルモンを探す。焦っているせいかアドレナリンが少し高いぐらいで他に異常値が見当たらない。

「モモ、どうした」
「うー」

なぜか今は夕日に顔を見られたくなかった。

モモは華と繋いでいた右腕を放し、袖から素早く腕を抜き取ると、夕日のスウェットの中で体を回転させ顔が見えないよう胸板に顔を押し付ける。

モモは熱をどうにか逃がそうと夕日にしがみついたままじっとしていた。

ゆっくりと深呼吸をすると、それはすぐに落ち着いた。

「大丈夫?」
「わかんない…」

華も、他のみんなもモモを不思議そうに心配そうに見つめでいる。
モモは自分の体で起こったわからないことが、少し怖かった。

華への聞き取りは終わって、華は車に乗せられて家まで無事に送り届けられたらしい。

でももう来ないらしい。
せっかく仲良くなれたと思っているので残念でしょうがない。