それにはいつの間にかモモだけではなく他の下っ端や春馬を始めとした幹部も聞き入っていた。

「君、凄いね!」

「え、いやそんなっ…!春馬様に褒められるなんて、光栄です!!」

春馬に褒められた下っ端は、もう死んでもいいかもなんて言って友人に頬を叩かれている。

あまりにもベシベシと叩かれているため大丈夫だろうかと見ているも、本人の頬が何度叩かれても緩みっぱなしであるのできっと大丈夫だと思う。

「モモ」

珍しい声だ。

朝日がモモを呼ぶ。
モモはどうしたのだろうかとその場から立ち上がり、朝日と玲と夕日の三人で固まって相談していた所に近付いていった。

そのまま夕日に後ろから抱きつかれるような位置に潜り込んだ。
ふわりと感じる暖かな温もりに安心する。

「これを彼女に渡してきてくれるか」

もう慣れたのかモモの体制には何も言わなくなっている朝日が、モモに何かを手渡した。
ビニール袋に入っているものは、きっと先程下っ端に頼んでコンビニで買ってきて貰った下着類だろう。

「ん、いいよ」

「こっちが適当に買ってきたスウェットだ」

モモはそれらのビニール袋を受け取ると、一階のシャワー室へ向かう。
その中に入るのは初めてだったが、場所は教えられていた。

「入るねー」

一声掛けて洗面台のある部屋から脱衣所のドアを開けると、女はもうシャワーを上がっており設置してあったタオルで体を拭いている所だった。二重扉になっており外からは絶対に中が見えない安全設計だ。

「これ、下着とスウェットだって」

「何から何までありがとうございます…」

女の体には脇腹辺りに大きく紫色に内出血している所があった。
場所的にも蹴られていたのだろうか。

「痛い?」
「え?…あ、少しだけ…」

モモは女の傷にそっと触れてみた。