外に出るとむわっとした暑さに包まれるが、相変わらずの黒いフルスモーク車の中は涼しかった。車に乗せられると、ショッピングモールまで送られた。
ここは何でも物が揃うという凄いところだとモモは聞いており、入る前からワクワクとした様子を見せている。

今日は夕日が帽子を被っているためか、あからさまな歓声と言う名の悲鳴は聞こえてこない。

夕日はまずモモを連れ下着屋を訪れた。
いかにもカラフルでギラギラなのは捨て置き、夕日はシンプルだがレースが付いていて可愛らしいものをいくつか選んでいく。

「?ぷにぷにしてる」

完全に布の下着しか身につけてこなかったモモにとって、胸を包み込む所が柔らかく弾力のある下着は初めて見るものであり、思わずぷにぷにと触ってしまう。

「すみません、彼女のサイズを測って頂けますか?」
「かしこまりましたー!さっ、お客様、試着室へどうぞ!」

「ぇっ」

あれよあれよという間にモモは試着室のカーテンに包まれた試着室に入れられ、メジャーを当てられた。

「あらあら!お客様はアンダーが細くていらっしゃる!」

店員はサイズを測り終えると出ていった。
夕日と、モモにはどんな下着が似合うかを話し合っているらしい。モモはなんだか置いてけぼり感を感じ寂しい気持ちになった。

試着お願いと夕日に言われ、付けた一着目が黒のものだった。

店員はとてもお似合いですとモモを大袈裟に褒める。
試着室にある全身鏡が妙にくすぐったい気持ちにさせてくる。

次に夕日が試着室を覗き込んできて、モモは思わず声を上げてしまった。

「ひゃぁっ」
「あー、黒もいいと思ったけど…やっぱり白のがエロいか?」

「うっ…ぅ…」

撫で回すように見られ、モモの羞恥心が高まっていき、泣きそうになり顔が赤くなっていく。

「何その顔、そそる…」

モモの表情を見て、同じく顔を赤らめた店員がシャッとカーテンを閉めてくれた。