本当に信じられない。
「マジか……」
「凄いー?
ん?03番、余り使わないで言ってた……?」
「当たり前…。
外に出せないタイプのやつでしょこれ……」
男は少女を持ち上げ地面に下ろし、立ち上がる。
そして己の身体を見下ろした。
見間違いでもまやかしでもない。怪我は本当にかなり治っている。だが血の広がった地面や服には壮絶な痕跡が多く残っている。
その痕跡が、本当に治っているという事実をより暗示していた。
「行くよ」
男は座って自身を見上げている少女に声を掛ける。
少女は慌てて立ち上がった。
「お家?お家行く?」
「…倉庫」
「倉庫?物置?」
「少し違う」
男は少女を連れ、初めからその道筋を知っていたかのように迷いのない足取りで人通りの多い場所へ向かう。
少女もそれについて行った。
「わっ」
人通りが多くなってきたところで、背の低い少女は男を見失いそうになり、男の手を掴んだ。
男がその手をグッと引っ張り寄せる。
「埋もれないでよ」
「人間、多い」
「ん?」
男は首を傾げ、そう?と呟く。
深夜の何時であるかは分からないが、それでもこれほどまでに人が居ることに少女は少なからず驚いていた。
「マジか……」
「凄いー?
ん?03番、余り使わないで言ってた……?」
「当たり前…。
外に出せないタイプのやつでしょこれ……」
男は少女を持ち上げ地面に下ろし、立ち上がる。
そして己の身体を見下ろした。
見間違いでもまやかしでもない。怪我は本当にかなり治っている。だが血の広がった地面や服には壮絶な痕跡が多く残っている。
その痕跡が、本当に治っているという事実をより暗示していた。
「行くよ」
男は座って自身を見上げている少女に声を掛ける。
少女は慌てて立ち上がった。
「お家?お家行く?」
「…倉庫」
「倉庫?物置?」
「少し違う」
男は少女を連れ、初めからその道筋を知っていたかのように迷いのない足取りで人通りの多い場所へ向かう。
少女もそれについて行った。
「わっ」
人通りが多くなってきたところで、背の低い少女は男を見失いそうになり、男の手を掴んだ。
男がその手をグッと引っ張り寄せる。
「埋もれないでよ」
「人間、多い」
「ん?」
男は首を傾げ、そう?と呟く。
深夜の何時であるかは分からないが、それでもこれほどまでに人が居ることに少女は少なからず驚いていた。

