トイレは頭上の標識を見たら簡単にわかった。
どうやら奥は買ったケーキを食べれるカフェになっているらしく、結構な人数の客がいた。
華は割と急いでいたらしくトイレに入るとモモのことは一切振り返らずに個室に駆け込んだ。
モモはトイレの前にあった待合室のようなところに設置してあった全身鏡で、服がどこかおかしくなっていないかをくるりと回って確かめている。
なんとなく気になって、袖に付いていたリボンを結び直していた時だった。
「すみません、100番さんですよね」
「ん?」
懐かしい響きに思わずモモは顔をあげる。
下がり眉が特徴の初老のスーツを身につけた男性。
その男性は背後に黒いサングラスをつけた体格の良い男を二人従えていた。
もしかすれば昔に会ったことがあっただろうかといくつか振り返ってみたが、モモにはこの男性と知り合っていたという記憶はない。
「覚えていらっしゃらないでしょうけれど、幼い頃に一度お会いしたことがございます。
私は二階堂修司と申します」
「?モモです」
男性はモモに、どうぞ気安く二階堂とお呼びくださいと言う。
どうやらモモと二階堂は幼い頃に会ったことがあるらしい。
それほど昔ならばもしかしたらモモが覚えていなくてもおかしくはないのかもしれない。
「…その名前は?」
「夕日、……うーん、モモを拾ってくれた人が付けてくれた」
それは良い名前を貰いましたねと二階堂はモモにゆるりと目尻を下げ微笑んでくれる。
どうやら奥は買ったケーキを食べれるカフェになっているらしく、結構な人数の客がいた。
華は割と急いでいたらしくトイレに入るとモモのことは一切振り返らずに個室に駆け込んだ。
モモはトイレの前にあった待合室のようなところに設置してあった全身鏡で、服がどこかおかしくなっていないかをくるりと回って確かめている。
なんとなく気になって、袖に付いていたリボンを結び直していた時だった。
「すみません、100番さんですよね」
「ん?」
懐かしい響きに思わずモモは顔をあげる。
下がり眉が特徴の初老のスーツを身につけた男性。
その男性は背後に黒いサングラスをつけた体格の良い男を二人従えていた。
もしかすれば昔に会ったことがあっただろうかといくつか振り返ってみたが、モモにはこの男性と知り合っていたという記憶はない。
「覚えていらっしゃらないでしょうけれど、幼い頃に一度お会いしたことがございます。
私は二階堂修司と申します」
「?モモです」
男性はモモに、どうぞ気安く二階堂とお呼びくださいと言う。
どうやらモモと二階堂は幼い頃に会ったことがあるらしい。
それほど昔ならばもしかしたらモモが覚えていなくてもおかしくはないのかもしれない。
「…その名前は?」
「夕日、……うーん、モモを拾ってくれた人が付けてくれた」
それは良い名前を貰いましたねと二階堂はモモにゆるりと目尻を下げ微笑んでくれる。

