モモの仕草に突然スイッチが入ったようにギラリと、夕日の目がまるで肉食獣を思わせるように輝いた。

「んんんっ」

今まではモモの方が上だった体制があっという間に入れ替えられ、夕日は体重をかけるように深くモモにキスを落とす。

驚いたようなモモの目がトロリと蕩けたため、夕日はそのまま続けようとする。

「待て待て夕日落ち着け、
今襲ったらお前の似合わねぇ健気な行動が全部無駄になんぞ!!」

横腹をゴスッと音が出るほどに蹴られ、夕日はソファーから転げ落ちた。
言わなくてもわかるだろうが、もちろん夕日に蹴りを入れたのは直人である。

確実に内出血はしているだろう痛みを感じ、夕日は仰向けになりただ呻いた。

「…助かった。お前のおかげで萎えた」

モモが夕日を心配して近付いて来る。
恐らくは夕日の怪我を察して治そうとでもしているのだろうと思う。
だから夕日は断っておく。

「大丈夫。
ごめん、一旦頭冷やすからまだ怪我は直さないでおいて」

戻ってきた夕日はもういつも通りだった。
モモも、まるで何事も無かったかのように夕日の股の間にストンと落ち着くように座る。

それでも以前よりは意識してしまっているせいか、モモはたまに背中に何らかの硬い感触を感じることがある。

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