彼女の力はそれほど強くはないのだが、怪我をしている状態の体には堪えるらしく、ガタイの良い男は顔を顰め薄目を開けた。
体を起こそうとして、また痛みに男は体を強ばらせる。
「ねえねえー」
「…るせえ」
「拾ってくれる??役に立つよ」
話が通じない。
男はどうするのが吉となるかと回らない頭で考え、なんとか体を起こした。
手を後ろに付こうとすれば神経に鈍い痛みが走り、額にじわりと脂汗が滲み出た。
もしかすれば骨折までしているかもしれない。
「?座るの?」
少女が男を支えようとするも、あまりにも体重の差が大きく、引っ張ろうとした手を引かれ、逆に男の方へ倒れ込んでしまった。
「むきゅっ!」
「っ」
少女の膝が男の腹に当たる。殴打された所に再びダメージをくらい、男はドクドクと波打つような痛みに耐えた。
「うぁ、痛いね、ごめんね」
少女は困った顔で白衣の裾で男の顔の汗を拭った。
せめて仲間に自身の位置の連絡をしようと、動く片手でポケットを探すもスマホは見当たらない。
「チッ……お前、スマホある?」
「?すまほ……?」
「…」
もしかしたら違う生命体なのかもしれないとこの日ほど思ったことは無いだろう。
体を起こそうとして、また痛みに男は体を強ばらせる。
「ねえねえー」
「…るせえ」
「拾ってくれる??役に立つよ」
話が通じない。
男はどうするのが吉となるかと回らない頭で考え、なんとか体を起こした。
手を後ろに付こうとすれば神経に鈍い痛みが走り、額にじわりと脂汗が滲み出た。
もしかすれば骨折までしているかもしれない。
「?座るの?」
少女が男を支えようとするも、あまりにも体重の差が大きく、引っ張ろうとした手を引かれ、逆に男の方へ倒れ込んでしまった。
「むきゅっ!」
「っ」
少女の膝が男の腹に当たる。殴打された所に再びダメージをくらい、男はドクドクと波打つような痛みに耐えた。
「うぁ、痛いね、ごめんね」
少女は困った顔で白衣の裾で男の顔の汗を拭った。
せめて仲間に自身の位置の連絡をしようと、動く片手でポケットを探すもスマホは見当たらない。
「チッ……お前、スマホある?」
「?すまほ……?」
「…」
もしかしたら違う生命体なのかもしれないとこの日ほど思ったことは無いだろう。

