「めっちゃシンプル・・・で、それの何が問題なの?」

「この作戦、場所の関係上、千夜が先に出ないといけないんだ。そして、侵入の時間や侵入方法の決定も千夜に任される。その時、それを伝えないといけないんだ」

「・・・あ」

理解した。その際、使われるのは暗号だ。

「他の伝達方法はないの?五色米とか」

「時間は伝えれるかもしれねぇが、侵入方法は伝えられねぇだろ?」

「なんで侵入方法までわたしが指示?」

「あいつらのお宅、ご丁寧に作りが一緒なんだよ。まぁ、遠目から見た感じだから侵入に適した場所とかはわかんねぇ。それを指示して欲しいんだよ」

「なるほど・・・確かにそれは・・・」

「ただ、今のところこれ以上の良方は思いつかなくてな」

「・・・やってみる?」

「だよな、やっぱりできっこ・・・っては?」

「ちょっと、聞いてなかったの?わたしはやってみたら、って言ったの。わたしの手紙を受け取ってから作戦開始まで全く時間がない、ってわけじゃないんでしょ?それだったら頑張れば解けるんじゃないの?」

「いや、でも、俺・・・」

無理、と声を出さずに新がつぶやく。

(・・・・・・)