俺たちの学校は入学してすぐに、クラブ活動の体験週間が始まる。
そこで、高校に入ったしせっかくだから自分たちも何か部活動に入ろう、ということになった。
「俺、調理部に入るから」
そう言って一足先に決めた渡瀬(ワタ)を見送り、俺と吉田はそれぞれ希望の部活動を見に行くことにした。
「俺、朝早いのはなあ……それに、自分のペースで何か作ってみたいし」
俺はもうだいたいそう思って決めている。
部活動紹介は一通り見ているから、たぶん俺はそこで決まりだろう。
でも吉田の希望するような部活動が、果たしてあっただろうか?
「……俺も、入りたいところがある」
いつにない真面目な顔で、吉田はきっぱりとそう言いきった。
「何部?同好会?どこにあるの??」
俺が興味本位で尋ねると、吉田は困り顔で首を横に振った。
「分からん……。噂によるとどうやら神出鬼没の、幻のような同好会らしいんだが……」
俺は吉田の入りたいという部がとても気になり、一緒に行ってみることにした。
吉田は学校の端と端の教室を、一階から三階まで見て回る。
「よっしー、まだ見つからないの〜??だいたい、なんで部室が固定じゃないんだよ……」
俺が飽き始めたころ、吉田は一つの空き教室の前で立ち止まった。
教室の表記のところに、何の印なのか見たこともない模様の描かれた小さな旗が付けられている。
「お。おぉぉ……」
なぜか吉田の目が輝き始め、そしてためらいがちに動きを一旦止めたあとに教室のドアをノックする。
「…はい、どなたぁ?冷やかしはお断りだよ」
中からそう声がして、開けられたドアから出てきたのは一人の男子生徒だった。
そこで、高校に入ったしせっかくだから自分たちも何か部活動に入ろう、ということになった。
「俺、調理部に入るから」
そう言って一足先に決めた渡瀬(ワタ)を見送り、俺と吉田はそれぞれ希望の部活動を見に行くことにした。
「俺、朝早いのはなあ……それに、自分のペースで何か作ってみたいし」
俺はもうだいたいそう思って決めている。
部活動紹介は一通り見ているから、たぶん俺はそこで決まりだろう。
でも吉田の希望するような部活動が、果たしてあっただろうか?
「……俺も、入りたいところがある」
いつにない真面目な顔で、吉田はきっぱりとそう言いきった。
「何部?同好会?どこにあるの??」
俺が興味本位で尋ねると、吉田は困り顔で首を横に振った。
「分からん……。噂によるとどうやら神出鬼没の、幻のような同好会らしいんだが……」
俺は吉田の入りたいという部がとても気になり、一緒に行ってみることにした。
吉田は学校の端と端の教室を、一階から三階まで見て回る。
「よっしー、まだ見つからないの〜??だいたい、なんで部室が固定じゃないんだよ……」
俺が飽き始めたころ、吉田は一つの空き教室の前で立ち止まった。
教室の表記のところに、何の印なのか見たこともない模様の描かれた小さな旗が付けられている。
「お。おぉぉ……」
なぜか吉田の目が輝き始め、そしてためらいがちに動きを一旦止めたあとに教室のドアをノックする。
「…はい、どなたぁ?冷やかしはお断りだよ」
中からそう声がして、開けられたドアから出てきたのは一人の男子生徒だった。