ピンクトルマリン

体育館には音だけが響いていた。

「やった…」

ちょっと感動して声が出なかった。

ボールがゴールに…

「やったぁぁあ!」

ぴょんぴょんと飛び跳ね喜ぶ。
先生はこんなあたしを見て子供だって思ったかな。

「今のよかったぞ。その調子だ」

いつもの誉め言葉。

あたしはにっと笑ってピースした。

「こんなの余裕ですけどね」

ふふん、と強がってみた。あぁバカ。ちゃんと素直に嬉しいって言えばよかった。

「じゃあ10回連続で入れてみろよ」

先生もふんといった感じであたしに超難題をつきつけた。

そんなの絶対無理だし!

言わなきゃよかった…