猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)

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謝恩会を終え、うちのクラスはカラオケBOXで2次会だ。
もちろん、亜沙子先生もいる。

「せんせーい、何か歌って~~」
「先生、あまり歌は上手じゃないんだけど」

数学教師の亜沙子先生は、朗らかで優しい先生。
女子クラスを受け持つのも大変だったと思う。

「雫、スマホ震えてるよ?」
「え?……ホントだ」

テーブルの上に置いておいたスマホが、ブルブルと震えていた。
津田くんからの着信だ。

「津田くんが待ちわびてんじゃない?」
「っ…」
「もう少ししたら帰っても大丈夫だよ」
「ホントに?」
「2次会来ないで帰った子もいるし、グラス空けたら帰ってもいいんじゃない?」

隣りに座るちーちゃんが頷いてくれる。
さっちゃんは他の子たちとノリノリで、さっきから何曲も歌い続けてる。
こういうのは得意だから。

ちーちゃんはマイペースにプリンアラモードを食べている。
こういうところ、6年(中高)経っても本当に変わらなかったなぁ。

『もう少ししたら、先に上がらせて貰う』
『大丈夫なんですか?抜けて』
『大丈夫みたい。ちーちゃんがそう言ってくれた』
『じゃあ、迎えに行くんで、入口で待ってて下さい』
『わかった。気を付けて来てね』

「津田くんから?」
「うん。迎えに来てくれるって」
「ホント、いい人見つけたね」
「……だよね。尚理くん、迎えに来るの?」
「今バイト中なんだよね。22時に終わるみたいだから、その後だったら迎えに来てくれると思う」
「そっか。尚理くんにもよろしく言ってね」
「今度、またご飯でも行こうね」
「うん」