猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)

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「虎太くん、大丈夫?」
「……全然、よゆぅぅぅっ」

酒豪の父親と(わたし)を賭けて勝負し、何とか勝てたのかな…?
まぁ、父親が手加減してくれたとは思うけど。

虎太くんもかなりお酒は強くて。
商店街のおじさん達に鍛えられたってのもあると思うけど。
久しぶりに酔い潰れた彼を見て、申し訳なさと嬉しさで胸がいっぱいだ。

違和感なく、私の部屋に布団が用意されていて。
彼がその上に横たわっている。

「お水、持って来ようか?」
「……いや、いい」
「本当に大丈夫?」
「……3分だけ、待って」
「3分?」
「おぅ、……3分」

どこぞの戦隊ヒーローの戦闘時間なのか。
組手の1試合の制限時間なのか。

彼は何かにつけて、3分と口にする。

学生の頃と違って、少し伸びた髪。
ワイルドさは少し控えめになったが、その分、色気が増した気がする。

「よーし、ふっっかぁ~つ!」
「え、何?」

勢いよく起き上がった彼は、深呼吸して、両手を広げた。
そして―――。

「えっ、ちょっっと、……何してんの?!」
「何って、お姫様抱っこに決まってんじゃん」
「……」

枕元に座っていた私を軽々と持ち上げ、そのまま階段を下り始めた。

「ねぇ、ちょっとどこ行くつもり?」
「どこ?……町内をぐるっと一周だけど」
「はぁ?」

部屋から抱きかかえられた私は靴を履くこともできず。
器用に玄関ドアを開け、なぜか20時過ぎの住宅街を颯爽と歩いてる。

「ねぇ、下ろして」
「だ~め、素足だから下ろせない」
「じゃあ、せめておんぶにしてよ」
「それもだ~めっ」
「何で?」
「何でって、雫の夢を叶えてんじゃん」
「………え?」

どういうこと?