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「雫が呼び出すって、珍しいな」
「ごめんね。……いつも合わせて貰って」
「合わせてるつもりは微塵もねーよ。俺が会いたくて会いに行ってるだけだし」
こういう優しさは、出会った時から何一つ変わってない。
「バイトね、先週末で辞めたの」
「は?聞いてねーんだけど」
「うん、……言ってなかったね」
ごめん、わざと内緒にしてたの。
言ったら、花束持って出待ちしてそうで。
私の行事や予定を小まめにチェックしている彼は、何かにつけてサプライズ的な行動をする。
教授の誘いで海外ボランティア(発展途上国に歯科検診の普及を推進するプロジェクト)に参加した時も、帰国した私をバラの花束を手にして出迎えてくれた。
羞恥心でその時は迷惑としか思えなかったけれど。
未知なる経験を積んだ私への彼なりの労いだったのだと、あとで気付いた。
「今日はね、一緒に見たいものがあるんだぁ」
「え、…何?映画?それとも、服か?」
「ざ~んねん。全然違うよ」
「えー、何だろ」
土曜日の午前中は自宅の道場で稽古があるのを知ってるから、昼過ぎに電話で呼び出したのだ。
会う約束もしてなかったからかな。
いつもに増して嬉しそうにしてる彼を見て、胸がキューッと甘く疼く。
いつも嬉しいのに素っ気ない態度をしてしまって。
その度にいつも後悔して来たから。
そろそろこういう自分からも卒業したい。
「えっ、……見たいのって、不動産屋?!」
「せ~~かいっ!卒業を機に、実家を出ようと思って」
「マジで?!」
「……うん」
「雫が呼び出すって、珍しいな」
「ごめんね。……いつも合わせて貰って」
「合わせてるつもりは微塵もねーよ。俺が会いたくて会いに行ってるだけだし」
こういう優しさは、出会った時から何一つ変わってない。
「バイトね、先週末で辞めたの」
「は?聞いてねーんだけど」
「うん、……言ってなかったね」
ごめん、わざと内緒にしてたの。
言ったら、花束持って出待ちしてそうで。
私の行事や予定を小まめにチェックしている彼は、何かにつけてサプライズ的な行動をする。
教授の誘いで海外ボランティア(発展途上国に歯科検診の普及を推進するプロジェクト)に参加した時も、帰国した私をバラの花束を手にして出迎えてくれた。
羞恥心でその時は迷惑としか思えなかったけれど。
未知なる経験を積んだ私への彼なりの労いだったのだと、あとで気付いた。
「今日はね、一緒に見たいものがあるんだぁ」
「え、…何?映画?それとも、服か?」
「ざ~んねん。全然違うよ」
「えー、何だろ」
土曜日の午前中は自宅の道場で稽古があるのを知ってるから、昼過ぎに電話で呼び出したのだ。
会う約束もしてなかったからかな。
いつもに増して嬉しそうにしてる彼を見て、胸がキューッと甘く疼く。
いつも嬉しいのに素っ気ない態度をしてしまって。
その度にいつも後悔して来たから。
そろそろこういう自分からも卒業したい。
「えっ、……見たいのって、不動産屋?!」
「せ~~かいっ!卒業を機に、実家を出ようと思って」
「マジで?!」
「……うん」



