猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)


付き合うことをスタートする時から、何かにつけて『もう少しだけ待って』と言って来た。

劣等感からくる自信のなさが浮き彫りになって。
優しい虎太郎に付け入ってる。

いざ、心を決めて立ち向かおうとすると。
何故かいつも失敗して。

けれど、そんな雫をいつも優しく包み込んでくれる彼。
だからこそ、完璧すぎる彼に相応しい人間になりたいと欲が出てしまうのだ。

「実習、お疲れ様です」
「毎日本当にマメだよね~」
「そうっすか?普通じゃないっすかね」
「うちの彼氏に爪の垢を煎じて飲ませたいよ」
「そんな大したもんじゃないっすよ。俺が雫に早く会いたかったんで」
「っ…」
「そういうド直球な所も、あたし好きだなぁ~」

臨床実習は5~6人の班で1年間変わることがない。
運よく、園子と同じ班になり、4月から2週間間隔で指定の歯科医院で実習を受けている。

その雫のスケジュールを小まめにチェックして、時間に都合がつく限り、こうして迎えに来るのだ。

「じゃあ、あたしはここで。雫、また明日ね~」
「家まで送りますよ」
「あーいいのいいの、彼氏の家に行くから」
「じゃあ、彼氏さんの家まで送ります」
「大丈夫、こっから近いし。ラブラブな2人の邪魔はできないしね~」
「園ちゃんっ」
「んじゃーね」

園子は駅へと歩いて行ってしまった。

「ご飯でも一緒にって言えばよかったな」
「……たぶん、それでも断ったと思う。気にしなくていいよ」

大学卒業と同時に運転免許を取得した虎太郎は、SUVの愛車に雫を乗せる。

「メシ、何にする?」
「ラーマ(カレー専門店)の割引券、今週末だったような?」
「じゃあ、ラーマにするか」