猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)

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『泊まってっていいよ』だなんて、無鉄砲すぎる言動なのは百も承知。

だけど、付き合い始めて9カ月があっという間に駆け抜けていって。
その間に、本当に色んなことがあった。

私が高校を卒業し、彼が選抜大会で優勝して。
私が大学に入学したら、彼がオリンピックで銅メダルを獲得した。

思い返してみたけど、私は彼のために何もしてないことに気付いた。
自分のことで手一杯だったのもあるけれど。
彼を応援するだけで、彼のために何かしたことがあるだろうか?

彼女らしいこともせずに、月日だけが過ぎ去って。
気付けば、彼の卒業もすぐそこまで来ている。

付き合う前から猛アプローチはあったけれど。
経験値不足を盾に、私は彼の気持ちを軽視してた気がする。

見た目はワイルドだけど、実際はマンガの主人公の王子様みたいに紳士的で。
いつだって、私のことを最優先してくれる彼。

園ちゃんは『自然とそういうことをしてもいいと思えた時が、その時だと思う』と言ってたけど。
もうそういう時期に来てるんじゃないかと、思えて。

ソファに押し倒され、熱い視線が注がれる。

「いつでも大丈夫だよ」
「っっ」
「ちゃんと、心の準備はできてるから」

大丈夫。
何度も漫画や小説で予習したもの。

「本気で言ってんの?」
「……ん」
「後悔しない?」
「……しないよ」

だって、初めては好きな人がいい。
私が初めて好きになった人。

私の言葉に目を閉じた彼が、ゆっくりと瞼を開け、視線が交わる。

「部屋に運んでもいい?」

彼の言葉に小さく頷いた。