猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)


自分で言ってて恥ずかしくなる。
見て貰いたい人から、欲しい言葉じゃない。

「不器用だから、毎日練習したの」
「俺のために?」
「だから、そう言ってるじゃない」

悲しいというより、無駄な努力だったのかな?と思えて。
所詮、私なんかが頑張ったところで、可愛くなんてなれないんだと痛感したというか。
惨めな気分になる。

「ごめんっ」
「謝んないでよ。余計に惨めになる」
「そうじゃなくて。似合ってないみたいな言い方になっちゃって」
「……」
「何もしなくてもかわいいし、すげぇ美人っすよ」
「可愛くないよ」
「またそうやって卑屈になる~。先輩こそ、そのマイナス思考、ガチガチに定着してるじゃないっすか」
「っ……」
「この間も言いましたけど、先輩、日本人離れした美人っすよ。ブリスベン行ったら、絶対独り歩きしないで下さいね?絶対、ナンパされるんで」
「されないよ」
「されますよ!」
「はいはい、もうこの話は終わりね」

気を遣って言ってくれてるのは分かる。
世界には、私より長身の女性なんて幾らでもいるから。



「砂糖要ります?」
「ううん、ミルクだけでいい」

紅茶にホットミルクを入れてミルクティーをつくる。
私が来ることを知ってて、お母様がシフォンケーキを用意してくれていた。

何度か津田家には来ているけれど、二人きりになるのは初めて。
彼の後を追って、彼の部屋へと。

「エアコン入れます?それとも、窓開けるくらいで大丈夫っすか?」
「私はどっちでも。虎太くん、暑い?」
「うーん、ちょうどいいくらい?じゃあ、ひとまずちょっとだけ窓開けますね」