園ちゃんは小柄だけど、凄くしっかりしていて。
さっちゃんとちーちゃんを足して2で割ったような性格の子。
付き合って1年になる彼氏がいるらしい。
入学してまだ1週間ちょっとだけれど、もう何年も前から友達みたいな感覚になるくらい、すっかり打ち解けた女の子だ。
「しーちゃん、今日バイトじゃなかった?」
「うん、バイト」
しーちゃんとは私のこと。
園ちゃんは週に3日ほど、大手コーヒーチェーン店でバイトしているらしい。
「先に言っておくけど、しーちゃんも彼氏いるからね?」
「えっ、香椎ちゃんも彼氏いるの?」
「……うん」
やっぱりね。
男みたいにデカくて、色気もないのに彼氏がいるとは思わないとね。
「超イケメンでワイルドな彼氏だから、しーちゃん狙いなら諦めな~」
「マジかっ。やっぱ、高嶺の花には既に彼氏がいたか……」
高嶺の花?
……まさか、私が??
いやいやいやいや、さすがに私じゃないよね。
園ちゃんのことを言ってるのだと思って、納得とばかりに頷いていると。
「俺、香椎ちゃん、超タイプだったのに~っ」
「…………え」
「しーちゃん、行こ。席なくなっちゃう」
「あ、……うん」
*
席を確保して日替わりメニューを確認しに行く。
「しーちゃん、あーいう軽いノリの男子は、隙見せるとしつこいから、最初にしっかり釘刺しとかないと面倒だからね」
「……」
「聞いてる?」
「あ、うん」
園ちゃんの言葉が脳内をぐるぐると回る。
「ちょっと確認なんだけど、畑中くんって、私に気があったの?」
「そうみたいだね、さっき撃沈してたじゃん」
「………えぇ~っ?」
「まさか、私のことだとか思ってたの?」
「うん」
「ホント、しーちゃんって初心すぎる」



