猛虎の襲撃から、逃れられません!(加筆修正中)

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試合会場の2階席(アリーナ)で彼氏である虎太郎の試合を見守る雫。
白修館高校の保護者の一行の端に立ち、父親から借りて来たプロ仕様のカメラで彼を捉える。

幼い頃から様々な大会に出場して来た雫は、このカメラに見守られ、何度も優勝をして来た。
だから、ゲン担ぎの意味合いでもある。

『虎太くん、頑張れ』

節度のない応援は威嚇行為とみなされ、警告されることもある。
だから、応援は『心の中で』が美徳とされている風習がある。

大きな体育館の中で、複数の試合が設定され、アリーナ席から結構な距離がある。
父親からカメラを借りて来て正解だったかも。

大型の三脚にセッティングしてあるため、手が疲労することも無い。

1p先取したはいいが、お互いに探り合いになってしまって、それぞれに注意を受ける。
ここで間合いを読み過ぎても、時間だけが取れらちゃう…。

積極的に攻撃態勢を敷くことで、審判への印象もよくなり、仕掛けた技をよく見て貰えるようになる。
対戦相手との間合いの読み合い合戦だが、実際は審判との駆け引きでもあるのだ。

如何に多く判定して貰えるか。
ポイントを稼ぐためのコツでもある。

試合が再開すると、明らかにキレが出て来た。

一回り体格の小さい相手に、大ぶりの技を仕掛けると、一気に間合いを詰められ、一瞬で突き技が決まってしまう。
だから、動きに俊敏に反応して、確実に手足が止まる瞬間を見ぬかなければ…。

塩島のタンタンタンタンッとリズムよく踏まれるステップが、タタッと変化した次の瞬間。