「捕まえましたよ」



彼からずっと逃げ続けるつもりだったのに、すぐに捕まえられてしまった私。



「どうして僕から逃げようとしたんですか?」



周りに誰も居ないのを確認した私は、聞きたくなかった事を彼にぶつける。



祐平(ゆうへい)くんは……暴走族の…総長…なの?」



信じたくない…穏やかで、優しい祐平くんが暴走族の総長なんて。



「そうですよ」

「じゃあ……私の姉が…誰と付き合ってるか知ってて…私に……近づいたの?」

「その通りです」



私の姉の恋人は祐平くんが敵対している暴走族の総長だ。