──やっぱり、この雰囲気が好き。

だから、壊しちゃいけないよね。

本当の気持ちを打ち明けて、この3人から離れるようなことになるよりは。

このままずっと、この想いを胸に秘めておいた方がいい……。






このときの私は、この3人のいる幸せな空間を壊さないように、自分の気持ちを抑えることで精一杯で。

夏が何を言いたかったのか、

春と冬がどんな想いでいたのか、

そして、

何者かの“目”が私たちをねめつけるように見ていたことも。


何も──知らずに、いたんだ……。