……ん?




今何時だ……?





8時、10分……!?




「考え事してたら遅くなっちゃった……っ」






早歩きで歩いて。





その時だった。







ぶつかられてもいないのに、





倒されてもいないのに、






急に転んでしまった。









「きゃっ……」























目の前には、








耳にピアス、そして同じ学校のジャケット。







……イケメンの、不良さんが立っていたんだ。








「あ?……何転んでんだ」






……えっ……?






「……ちっ」





こ、こわいな……。




「……」





地面に豪快に転んでしまった私をじっと見た後。






「靴紐は結んどけ」





……え?







「きちんと靴紐結んどけ」







……?





……えぇっ……!?




慌てて足元を見ると、紐が解けているのがわかる。



わ……と、とれてる……。




「……す、すみません……」



どうやら、その男の人が踏んでしまって。











……私が転んでしまったみたい。










「……」






そのまま、足早に歩いて行った男の人。





す、すみません……心の中で何度も謝罪をしながら、




立ち上がって靴紐を結んだ。






とにかく、早く学校に行かなきゃっ……。




あの男の人……






私たちの学校なのかなぁ……。






ジャケット一緒だったけどな……。






そう思いながら学校へ走って向かった。