マリアが頬を真っ赤に火照らせているのに、ジルベルトは涼しい微笑みを浮かべている。
「単純に気になった。なぜ俺の名前、猫に付けたんだ?」
なでるような優しい声で。
長い睫毛の奥の青い瞳で……。
射抜くように視線を向けてくる。
「それは……」
ジルベルトは仔猫を身体ごと口元に持っていき、小さな頭にキスを落とす。その間もマリアをじっと見つめたまま、目を逸らせることはない。
胸の鼓動が激しさを増していく。
目の前にいるのは、もう一度会いたいと思い続けてきた青年で、もっと言えばマリアが初めて淡い恋心を抱いた相手なのだ。
——こ……このような事態をどう乗り切るかなんて、お母様にも教わっていませんっっ!

