【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!


 マリアが頬を真っ赤に火照(ほて)らせているのに、ジルベルトは涼しい微笑みを浮かべている。

「単純に気になった。なぜ俺の名前、猫に付けたんだ?」

 なでるような優しい声で。
 長い睫毛の奥の青い瞳で……。

 射抜くように視線を向けてくる。

「それは……」

 ジルベルトは仔猫を身体ごと口元に持っていき、小さな頭にキスを落とす。その間もマリアをじっと見つめたまま、目を逸らせることはない。

 胸の鼓動が激しさを増していく。
 目の前にいるのは、もう一度会いたいと思い続けてきた青年で、もっと言えばマリアが初めて淡い恋心を抱いた相手なのだ。

 ——こ……このような事態をどう乗り切るかなんて、お母様にも教わっていませんっっ!