【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!


「えっと……、じっ……ジルです」
「ジル?」

 おいで、ジル。

 ジルベルトが仔猫に手を伸ばす。マリアが「あっ」と声をあげる間もなく「うにゃっ!!」仔猫がジルベルトの手を引っ掻いた。

「だめよジルベルトっ?! すみませんこの子、人見知りなんです。………ぁ 」

 慌てて口を塞いだがもう遅い。人間のジルベルトは「は…」と息を吐くように笑った。

「ち……ちがうんです、この子は《《ジル》》で……そのっ。さっきのは、私が言い間違えちゃっただけで……。そうよね、ジルっ?!」

 仔猫は知らん顔で身体を舐めている。