「えっと……、じっ……ジルです」
「ジル?」
おいで、ジル。
ジルベルトが仔猫に手を伸ばす。マリアが「あっ」と声をあげる間もなく「うにゃっ!!」仔猫がジルベルトの手を引っ掻いた。
「だめよジルベルトっ?! すみませんこの子、人見知りなんです。………ぁ 」
慌てて口を塞いだがもう遅い。人間のジルベルトは「は…」と息を吐くように笑った。
「ち……ちがうんです、この子は《《ジル》》で……そのっ。さっきのは、私が言い間違えちゃっただけで……。そうよね、ジルっ?!」
仔猫は知らん顔で身体を舐めている。
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