冷徹な光を湛えたアイスブルーの瞳が店主を睨め付ける。
それは片田舎の定食屋にはあまりにも不似合いな、目の前にいる者たちを平伏させるほどの気品と威厳。
その眼差しの冷ややかさとは裏腹に、引き結ばれた口元は微かな笑みを浮かべていた。
「お、お前……ッ!? 何なんだよ、マリアとどういう関係だ……!」
掴み上げられた右手の激痛に店主が顔を歪ませ、震える声を絞り出す。
「どういう関係? フン、下衆に自己紹介などするものか」
鼻で微笑ったジルベルトは掴んでいた店主の手を乱暴に放し、濡れた床に突き飛ばした。
「代わりに教えてやろう——命には、敬意を払え」
ジルベルトの発した言葉が静まり返った店内に響く。漆黒の礼服に身を包んだ彼の体躯の威圧だけにとどまらず、地を這うように低い声色は、静けさに包まれた店内を震撼させるのにじゅうぶんだった。

