【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!


 寝床に仔猫の姿がない——こんなことは初めてだった。
 その日は半日待っても姿を見せず、とうとうどこかに行ってしまったのだろうかと諦めかけたとき、夜になってマリアがおそるおそる寝床を覗けば「にゃー、にゃー」。
 マリアの姿を見つけた仔猫が嬉しそうに駆け寄り、マリアの足元に身体をすり寄せてくる。

 ——寝床にいたり、いなかったり。行動範囲が広がっただけなのかしら?

 数日、そんな事が続いた。
 仔猫が急に行動的になった事に疑問を抱いていたマリアだが、突然にその理由を知ることになる。

 真夜中から雨が降り続く朝、マリアが仔猫の様子を見にいくと。
 寝床に仔猫の姿はなく、仔猫が気に入っている食事の皿が真っ二つに割られていた。

 陶器の皿を他の動物が壊せるとは思えず、明らかに人為的なものだとわかる。
 マリアは、やっと気づいた……ここしばらく仔猫の様子がおかしかった理由を。