「私は、そんなつもりじゃ」 「好きなんじゃないの? サイモン様のこと! だってそういう目で見てたもの」 「ええっ?! マリアったら、サイモン様が好きなの?! あははっ、笑っちゃう〜!」 「ばっかじゃないの。あんたなんか、小隊長さまに相手にされるはずないじゃない」 悔しくて、マリアは唇をぎゅっと噛みしめた。 「……ます、から」 「え?! 今なんか言った?」 「マリアが何か言ってるよ!」 「何よ、聞こえるようにもっとはっきり言えば?」 「私っ……好きな、人、他にちゃんと、いますから」