「ここが、奥の壁に一番近い扉ですわ。では、わたくしはここで」
「はい。案内いただいて有難うございます」
アーニャの背中を見送れば、不慣れな場所にひとり残される心細さがじわじわと押し寄せる。
双扉に手を掛ける扉係が微笑みかけてくれた事で、少しだけ気持ちが和らいだ。
「麗しきご令嬢。どうぞお入りください」
扉係が両手にはめた白い手袋が清々しい。
そして——『鳳凰の間』の扉は開かれた。
「はい。案内いただいて有難うございます」
アーニャの背中を見送れば、不慣れな場所にひとり残される心細さがじわじわと押し寄せる。
双扉に手を掛ける扉係が微笑みかけてくれた事で、少しだけ気持ちが和らいだ。
「麗しきご令嬢。どうぞお入りください」
扉係が両手にはめた白い手袋が清々しい。
そして——『鳳凰の間』の扉は開かれた。

