「フェルナンド。君は俺がマリアを正妃にすると言い出すとでも思っているのだろう? ならば案ずるな。あの日の君に誓って言う……帝国に益の無い結婚はいらぬ」


 《フェルナンドの翡翠の瞳がわずかに揺れる。
 その瞳に向けて新たな誓いを立てるように、ジルベルトの碧い瞳はフェルナンドをしっかりと見据えた。》


「その答えが聞きたかった」



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