「はぁ〜、殿下の婚約の話。マリアちゃんが聞いたら傷つくだろうなぁぁ。可哀想に……」
「おい、ちょっと黙ってろ!」
「そう声を荒げるなフェルナンド」
《ジルベルトは温度を感じさせぬ冷静さで応える。
そして三つのグラスに減ったお酒を順に継ぎ足す。》
「そもそも、さっきの側室はいらない説ですけど? 公爵令嬢にしたって殿下に愛情なんか無いんだから、表向きの仮面夫婦装っといて側室のマリアちゃんを溺愛すればいいじゃないですか」
「おい、ちょっと黙ってろ!」
「そう声を荒げるなフェルナンド」
《ジルベルトは温度を感じさせぬ冷静さで応える。
そして三つのグラスに減ったお酒を順に継ぎ足す。》
「そもそも、さっきの側室はいらない説ですけど? 公爵令嬢にしたって殿下に愛情なんか無いんだから、表向きの仮面夫婦装っといて側室のマリアちゃんを溺愛すればいいじゃないですか」

