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 その日は突然にやってきた。

 告げられたのは、今朝早く。
 軽く朝食を済ませたマリアは、いつものようにジル猫とじゃれ合いながらラムダが来室するのを待っていた。

「ねぇ、ジル。今日はとても良い天気よ。あなたを連れて、ラムダさん……あら私ったら、また……っ」

 星祭りの日に友情の契りを交わしたラムダを名前で呼ぶことに、マリアはまだ慣れない。

「ラムダとお庭をお散歩しましょう。そうだっ! 庭師のヤンさんが、新種の薔薇を見せてくださるって言っていたの。ラムダも薔薇が好きだから、きっと喜ぶわ……! でもね、ジル。この事はまだ内緒よ? ヤンさんに薔薇を見せてもらって、ラムダを驚かせるの」

「にゃ?」

 ジルの脇の下に手を入れて抱き上げれば、碧い()をまんまるくしている。