だけどまっすぐに放たれたその言葉に、ジルベルトの優しい想いが込められていた事は本当で——。
マリアは、胸の底から湧き上がるような喜びを感じずにはいられないのだった。
玉ねぎ頭の女性と和やかに話す背中を見ていると、みるみる頬が熱くなる。
慌ててマリアを抱え上げたり、悲壮な顔をしながら足を動かしてみたり。形の良い眉を寄せて、ジルベルトはマリアを案じてくれた。
——ラムダが怪我をした時は平然としていたのに……。
『他の女への嫉妬など、微塵も感じさせはしない。』
ジルベルトは嘘のない言葉と態度で、マリアを安心させようとしてくれている。
ふわりと湧いた想いに、冷えていた胸がぽっとあたたかくなった。
「片時も手放したくはないが。マリアを皆に紹介すると言ったのだから、その為に必要な責任は負うよ。衣装選びを楽しんで」
肩越しにマリアを振り返る碧い眼差しは、卒倒しそうなほどに綺麗だ。
仲睦まじくていらっしゃること。そんな言葉がマリアの耳を掠めた。
あたかさを感じていた胸元に、今度は小さな炎が灯る。ジルベルトと離れるのが寂しくて、背高い後ろ姿を名残惜しく見送った。
「さて。お嬢様はこちらへ」

