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公共広場の噴水の袂にラムダと並んで腰を掛け、マリアは人生で初めてのホットドックをほおばった。
黒馬と護衛の男は——どこへ行ったのか、付近には見当たらない。
大きな口を開けてかじりつくことに最初は戸惑っていたマリアだが、食べてみれば頬が落ちそうなほど美味しいのだった。
それはマリアが子供の頃から憧れていた、『《《親友》》と楽しくお喋りしながら食事をすること』に似ている気がした。
子供の頃に読んだ本の中に、そんな素敵な描写があったのを思い出す。
「ラムダさん。私、前からずっとあなたに、お伝えしたかったのですけれど……」
マリアのアーモンド型の瞳は、喜びのような憂いのような——複雑な色を浮かべている。
「あらマリア様、どうしたのですか? 急にあらたまって」
「皇城に来てラムダさんと出会えたことが、とても嬉しいです。私とジルの事をいつも気遣ってくださって……。こんなふうに、優しくしてくださって、本当に有難うございます…… !」
食べかけのホットドックを危なかしい手つきで持つマリア。
ラムダが好きな、いつでも人の心を和やかにするその微笑みに見惚れてしまう。
「いいえ、マリア様……わたくしも嬉しいのです。
皇城への出仕が嫌で、毎日が退屈で仕方が無かったのです。やる気も起こらず、わたくし、失敗ばかりでしたの。
でもマリア様と可愛いジルのお世話をさせてもらえる事になって、今日までとても楽しかったですもの…… !」
まるで別れの挨拶のような言葉を交わせば、互いに感情が昂って。額を寄せて、目を閉じる。
「小さい頃からずっと憧れていたのです。こんなふうに心を許せる人とお喋りをしながら、楽しい時間を過ごす事。
それが今日は叶って、そのお相手がラムダさんで……本当に嬉しいです」
公共広場の噴水の袂にラムダと並んで腰を掛け、マリアは人生で初めてのホットドックをほおばった。
黒馬と護衛の男は——どこへ行ったのか、付近には見当たらない。
大きな口を開けてかじりつくことに最初は戸惑っていたマリアだが、食べてみれば頬が落ちそうなほど美味しいのだった。
それはマリアが子供の頃から憧れていた、『《《親友》》と楽しくお喋りしながら食事をすること』に似ている気がした。
子供の頃に読んだ本の中に、そんな素敵な描写があったのを思い出す。
「ラムダさん。私、前からずっとあなたに、お伝えしたかったのですけれど……」
マリアのアーモンド型の瞳は、喜びのような憂いのような——複雑な色を浮かべている。
「あらマリア様、どうしたのですか? 急にあらたまって」
「皇城に来てラムダさんと出会えたことが、とても嬉しいです。私とジルの事をいつも気遣ってくださって……。こんなふうに、優しくしてくださって、本当に有難うございます…… !」
食べかけのホットドックを危なかしい手つきで持つマリア。
ラムダが好きな、いつでも人の心を和やかにするその微笑みに見惚れてしまう。
「いいえ、マリア様……わたくしも嬉しいのです。
皇城への出仕が嫌で、毎日が退屈で仕方が無かったのです。やる気も起こらず、わたくし、失敗ばかりでしたの。
でもマリア様と可愛いジルのお世話をさせてもらえる事になって、今日までとても楽しかったですもの…… !」
まるで別れの挨拶のような言葉を交わせば、互いに感情が昂って。額を寄せて、目を閉じる。
「小さい頃からずっと憧れていたのです。こんなふうに心を許せる人とお喋りをしながら、楽しい時間を過ごす事。
それが今日は叶って、そのお相手がラムダさんで……本当に嬉しいです」

