【コミカライズ連載中】➕SS 雲隠れ王女は冷酷皇太子の腕の中〜あなたに溺愛されても困ります!

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 日は高く昇り、賑わい始めた帝都の街を隅々まで照らしていた。
 街道沿いの踊り場では大道芸人を囲んで人だかりができ、大人、子供の境なく道化師(ピエロ)のおどけた動きに笑い声が沸く。

 陽気なアコーディオンを奏でる演奏家、その周りを囲むようにして楽しそうに踊る人々。
 昼間からエールを片手にカフェテラスで酔っ払う老齢の紳士たち……。

 目に映るもの全てが都会的で物珍しく、きらびやかな祭りの様子にマリアはただ周囲を一生懸命に見渡すのが精一杯だ。

「そこの綺麗なお姉さんたち! プロの画家が最高の似顔絵を描くよ! ちょっと寄ってかないかい?」

 似顔絵と聞いて、それまで誘い込みには見向きもしなかったラムダが、立ち止まって絵の見本を真剣に覗き込む。