広々とした幅を持つ舗装された街道に沿って、左右に大小様々な出店がどこまでもずらりと並んでいる。
昼時の街には何やら良い匂いが漂う——出店のほとんどが、歩きながら食べられる軽食を売る店だ。
「さて、マリア様。どこで何を食べましょう?」
ラムダがマリアの腕を取り、歩き出そうとすると。
イイイ———ン!!
馬車の後ろにいた黒馬が、けたたましくいななく。
マリアには、ローブを被った護衛が馬の手綱をわざと引いて、何かを訴えかけているように見えた。
「ラムダさん、あのう……護衛の方が、何か言いたそうな……」
「あら、そうかしら? 護衛のことなどマリア様が気にされる事ではありませんわ。さぁ行きましょう」
ふん、とあしらうように。
ラムダは護衛の男にそっぽを向き、マリアと腕を組んで露店に向かって歩き出すのだった。

