旧校舎前。
 古い和風建築だ。人気はない。入口に東条朝都が立っていた。朝都はカギがいくつかついているわっかを持っていた。
 高瀬君と、チセが現れた。朝都は笑って二人を見た。
 「ああ」
 「生徒会長」
 と、高瀬君。
 「早く、秘密の部屋行こうよ」
 と、高瀬君が続けた。
 「わかった、わかった」
 と、朝都。朝都は、旧校舎の玄関のドアの前にたった。わっかのカギを持った。そうしてドアのカギ穴に差し込んだ。がちゃっとドアが開いた。朝都はドアを開けた。そうして入っていった。
 「行こう」
 と、高瀬君。
 「うん」
 と、チセ。

 旧校舎、玄関。
 がらんと広い空間。薄暗い。
 朝都は、ドアをしめ、カギをしめた。
 靴箱が並んでいた。朝都は靴箱の方へ行き、靴を脱ぎ、板にあがった。そうして靴を持ち、靴箱へ入れた。
 「靴を脱がなきゃいけねえ。どれでも好きな靴箱に入れたらいいが、どこに入れたか覚えておかないといけねえ」
 「うん」
 と、高瀬君はいって、朝都のいるとこへ行き、靴を脱いだ。そうして板の上にのった。
 「えーと」
 靴を持った高瀬君。
 「わかりやすいとこにしとけよ」
 と、朝都。
 「うん」
 高瀬君は一番端の上に靴を入れた。高瀬君はチセの方を向いた。
 「黒田さんも早くきなよ」
 と、高瀬君。チセは高瀬君たちのとこへ来た。チセは靴を脱いで、板にあがった。チセは靴を一番下の端に入れた。朝都は廊下へ行った。高瀬君と、チセも廊下に出た。廊下は板張りでみしみしいった。薄暗かった。
 「わあ。床がみしみしするう」
 と、高瀬君。
 「行こう」
 と、朝都。
 朝都は歩いて行った。そのあとを高瀬君がついていった。高瀬君はきょろきょろした。
 「うわあ。すごいなあ」
 と、高瀬君。高瀬君はうきうきしていた。
 階段があった。朝都は上っていった。高瀬君が続いた。そのあとをチセが続いた。一同は2階にあがった。朝都は廊下を進んだ。そうして、ドアの前に止まった。
 「ここだ」
 と、朝都。
 高瀬君が笑みを浮かべた。
 「わあ。ここが秘密の部屋なんだあ」