チセのクラスでは帰りのホームルームが終わった。放課後、生徒会長と高瀬君とで、旧校舎で話がある。
 「黒田さん、黒田さん」
 と、高瀬君。
 「何してるんだよ。早く」
 と、高瀬君。急いでいる。
 「ちょっと待ってよ」
 と、チセがか細い声でいった。そこへ、橋本ここながやってきた。学園のアイドル的存在だ。淡い茶色の髪をポニーテールにしている。
 「お二人さん、そんなに急いで、一体どこへ」
 と、ここな。
 「あ、それは」とチセが言いかけると、
 「生徒会長と話があるんだ」
 と、高瀬君がいった。
 「生徒会長!」
 と、ここな。
 「高瀬君、それはいっちゃあ・・・・・・」
 と、チセ。
 「あ」
 と、高瀬君。
 「ははん。とうとう、不純異性交遊改め、不純悪魔族交遊で、生徒会長のお仕置きを受けることとなったか」
 と、ここな。
 「あ、いや、そうじゃなくて、そうじゃなくて」
 と、高瀬君。
 「ああ、そうなんだ。私たち、生徒会長に説教されにいくとこなんだ」
 黒髪ショートヘアの高杉シンがじっと見守っていた。そのグループの男子も見守っていた。
 「はあい、皆さん注目うううううう!」
 と、ここなは、クラスのみなにいった。
 「あ、ここなんだ」
 「ここなんからおふれが出るぞ」
 と、男子たちが噂した。
 クラスのみながここなに注目した。
 「高瀬君と、悪魔はあ、とうとう不純悪魔族交遊で生徒会長にお仕置きを受けることとなりましたあ」
 と、ここな。
 「いえーい」
 と、シンの仲間の圭吾。
 「おおしおき、おおしおき、おおしおき」
 と、シンが手をたたいて、はやした。すると、シンの仲間が、
 「おおしおき、おおしおき、おおしおき」
 と、手拍子してはやし立てた。たちまちクラス中が「おおしおき、おおしおき」とコールし始めた。
 「高瀬君、行こう」
 と、チセ。
 「うん」
 と、高瀬君。
 「はあい、おしおきコールやめえ」
 と、ここなが大きい声でいった。ここなは、高瀬君と、チセをみやった。
 「じゃあ、お二人さん、行ってらっしゃい」
 と、ここな。
 「うん」
 と、高瀬君。
 「じゃあ、行ってくる」
 と、チセ。