「拓磨。見つけて笑おうかなって思ってたのに、残念いないね」

「越智君は三限からみたい」

「そっか、拓磨は三限一緒だった。ここいないけど、聞いたよ~って言っていいの?」

「うん、良いよ。でも、程ほどにしてあげてね。越智君困りそう」

 私と違って二人は静かなトーンで憎まれ口を叩き合っているため、あさなに痛い質問をされて、越智君は恥ずかしがって顔を背けそうだ。

 でもきっと、あさなはめげない。

「はぁここが喜ぶ幸せそうな笑顔が見れて、ホッとしちゃった。嬉しい、嬉しいよ。ホントに涙が出そう」

 言葉だけでなく目を潤ませるあさなは、今までで一番嬉しそうな優しい顔をして、私に笑いかけてくれたのだった。