──友達か。友達だから、許される距離なのか。

 良いのか、悪いのか、分からない。

 でも多分、まだ、いやとても良い方だと思うけど……。

「会いたいな」

 一人呟いて、トボトボ自分の部屋に入ろうとすると、左隣の部屋からマキトが騒ぐ声が聞こえてくる。賑やかな様子を横目で眺めながら扉を開くと、朝出た時と同じ部屋が自分を出迎えてくれた。

 朝この扉を開けて出て行く時、あんなにワクワクしていたのに、帰ってくると感情も違うもんなんだな。なんか、虚しいな。

 別に永遠の別れでもないのに、単に今、一人で寂しい感情に浸っているだけだ。