学校が終わった放課後、野いちご学園高等部応援団は、グラウンドの隅にいた。今日は、チアリーダー部とのセッションだった。
 結城まことは、学ランを着ていた。応援団の腕章をつけていた。雪之真冬も学ランを着、腕章をつけていた。学ランを来たメンバーがそろっていた。
 大太鼓があった。
 向こうから、チアリーダー部たちが見えた。
 皆チアリーダーのかわいい衣装を着ていた。彼女たちが来た。ここなは、まことを見つめていた。まことは、うっとなった。
 真冬が前へ出た。黒髪の長いストレート、前髪を切りそろえた、大きい青い目の女子が真冬の前へ来た。チアリーダー部部長の黒澤ゆなだ。
 「雪乃さん」
 と、ゆな。
 「黒澤さん」
 と、真冬。
 「できれば、そちらの団長とお話がしたいんですけどね」
 と、ゆなは、まことを見た。まことはぎくっとなった。真冬は片手を後頭部にやって笑った。
 「はは、うちの団長は女性と話せないので」
 と、真冬。
 「どうにかならんないんですかねえ」
 と、ゆな。
 真冬は笑った。
 「申し訳ない」
 「まことさあん」
 と、ここな。まことはぎくっとした。