「どういうことです…?」

純くんが問うと、

「お二人とも、全く同じパターンなのですが…いわゆる、代理母出産ですね。つまり、ご両親と血縁はあるものの、産んだのは貧しい外国人の女性、ということです。ハッキリ申し上げてしまうと…今でこそビジネスとして代理母出産を認めている国もありますが、当時は…まぁ、違法スレスレといったところでしょうか」

どんな秘密があろうと、ショックなど受けないと思っていたが、まさか違法スレスレ、モラルとしても賛否の分かれるような産まれ方をしたということに、やはりショックを受けてしまった。

「あとですね。お二人のご両親は、四人とも、保守的な小さな村の出身でした。ご親戚は、その町にご存命のかたもいらっしゃいますが…いわゆる、勘当という形で、四人とも上京なさっていますね」

「勘当って、何故です?」

「それは…今の時代、こんな差別はナンセンスでしょうけれど、あの世代の方々にとって、同性愛というのは御法度だったようですから」